雪深い山での雪山登山を楽しむためには、ワカンまたはスノーシューが頼もしいパートナーです。
でも、皆さんはワカンとスノーシューの違いについてご存知ですか?
初心者の方や、これから雪山登山を始めようとしている方にとって、使い方や使い分けを知ることはとても重要です。
今回は、ワカンとスノーシューの特徴や使い方について、分かりやすく紹介していきます。
最後に、おすすめのアイテムもご紹介しています。
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ワカンとスノーシューの違いは?
ワカンとスノーシューですが、基本的に使う目的は同じです。
雪深いところでは、登山靴のまま歩くと足が雪に沈んでしまい歩くのがとても大変です。
そんな時に役に立つのが、ワカンとスノーシューです。
では同じ目的で使うのに、ワカンとスノーシューの違いはなんでしょうか?
それぞれの特徴について知ることで、その違いがわかってくるので順番に解説していきます。
ワカンの特徴について
ワカンとは正式には輪かんじきと言い、略してワカンです。
形状は、楕円形の輪っかになっており、その中心に靴を乗せて固定させます。
雪への接地面積を広げることで、浮力を上げて沈みにくくしています。
ワカンにも2つのタイプが存在ます。
特徴を紹介した後、2つのタイプの違いを簡単に解説していきます。
ではまず特徴としては、主に4つあります。
素材はアルミなどの軽量な金属が使われている事が多く、軽く作られています。
重量は、大体1kg前後でスノーシューと比べると軽量です。
パーツ数も少なく稼働部分もほとんどないため、構造がシンプルです。
シンプルなので壊れにくいという特徴があります。
スノーシューと比べ、傾斜があっても利用可能です。
またベントフレームタイプであれば、アイゼンとの併用が可能なので斜面でも滑りにくくできます。
フレームタイプはフラットタイプとベントタイプに分けれます。
タイプについては、この後ご紹介します。
雪面を点ではなく、面で捉えるので足が沈みにくくなります。
スノーシューと比べると劣りますが、登山靴のみの時より優れています。
フラットフレームタイプ
フレームに反りがないタイプです。
歩行時に、フレームの先が雪や岩に引っかかりやすいというデメリットがありますが、アイゼンと併用ができるというメリットがあります。
併用できるため付け替える手間は省けるので、便利です。
ベントフレームタイプ
フレームの先端が反っているタイプです。
特徴は、先端が反っていることで歩行時に雪や岩が引っかかりにくく、歩きやすいところです。
ですが、アイゼンとの併用は出来ないため、付け替えが必要になります。
スノーシューの特徴について
スノーシューは西洋発祥の西洋かんじきです。
縦長の本体の中心に、登山靴をベルトで固定して装着します。
タイプは2種類あります。
特徴を紹介した後、タイプの違いを簡単に解説していきます。
特徴は、主に3点あります。
一番の特徴は雪面との接地面積が広いので浮力が高い!
雪原歩きに適しています。
かかとが上がるタイプのヒールリフター機能付きのモデルは、歩くときにフレーム先端が雪に引っかかりにくいので歩きやすいです。
本体の底に爪が付いているモデルの場合、アイゼンと同じとはいきませんが、滑り止めになります。
多少の傾斜やアイスバーンなところでも、アイゼンに履き替えなくても進むことができます。
平坦用(平な雪原歩きタイプ)
浮力を大きく持たせるために、本体(デッキ部分)が大きいのが特徴です。
大きい分重量があるため、携帯性にはあまり優れません。
主に、平な雪原を散策する用途で使用します。
登山用(ある程度の斜面も歩くことを想定したタイプ)
平な雪原だけでなく、斜面での歩行も想定したタイプです。
斜面での歩きやすさを高めるために、かかとが上がるヒールリフターや滑り止めの爪が付いています。
また携帯性と軽さを得るために、本体(デッキ部分)が平坦用と比べ小さくなっています。
登山で使う場合は、登山用一択です。
ワカンとスノーシューの比較
単体の特徴についてご紹介しましたが、ここからはワカンとスノーシューの比較をしていきます。
6つの項目を「
比較しています。ワカン | スノーシュー | |
---|---|---|
雪面での浮力 | 靴より勝るがスノシューまではいかない | 本体が大きい分、浮力も高い |
平坦な雪原での歩行 | 靴より勝るがスノシューまではいかない | 浮力が高く沈みにくいので歩きやすい |
斜面での歩行 | アイゼンとの併用可 履き替え不要です | 爪があるモデルであれば、ある程度はアイゼンへの履き替え不要です |
軽さと携帯性 | 軽さと携帯制なら断然ワカン!! | 本体が大きく重量もあります |
壊れにくさ | 構造がシンプルで壊れにくい | 稼働部分もあり登山前に要チェック |
価格帯 | 比較的安価 | 多機能な分高め |
比較をすると、雪面での浮力と平坦な所の歩行はスノシューが優勢です。
ですが、軽さ・携帯性と斜面での歩行は、ワカンが優勢になっています。
こうした結果から、雪山登山ではどういった使い分けをしたら良いのでしょうか?
この後は、使い分けについて解説していきます。
使い分けはどうするの?どちらが雪山登山におすすめ?
雪山登山での使い分けについて、結論から言うとどちらも一長一短があるので、行こうとする山行に合った使い分けが必要になります。
どちらを選ぶかは、特徴を活かせるかどうかで決まります。
初めての方にも分かりやすいように、使い分けの例をご紹介していきます。
ワカンが活躍するシーン
- 雪が付いている斜面を歩くことが想定される場合
-
雪が付いている斜面で、アイゼンだけでは足が埋まってしまう場合には、ワカン+アイゼンの併用が良いです。
体力の消耗を減らすことができ、且つ安全に歩行ができます。
- 降雪直後だが先行者が多い場合
-
冬でも人気の山では、降雪直後でもトレースがあり雪が踏み固められていることが多いです。
そんな時は、ワカンがあれば十分な時が多く、時には使わない場合もあります。
ザックに付けっ放しになることもあるので、軽量なワカンを持っていくのがおすすめです。
スノーシューが活躍するシーン
- 新雪の雪原ハイク
-
平坦な雪原をハイキングするような場合は、浮力が高い平坦用のスノーシューが最適です。
沈みにくいので、体力を消耗しにくく雪原歩きを楽しめます。
- 雪が深い林道や降雪直後の山行の時
-
ラッセルをして進まなければいけない可能性が高い場合は、少し重たいですが登山用のスノーシューを持っていくのが良いでしょう。
雪が深い場合、ワカンより歩きやすいので移動が楽になります。
雪が深い斜面を登る可能性もあるので、爪が付いた登山用がおすすめです。
どちらも適さないシーン
- 雪と岩のミックス地帯を歩行するシーン
-
ワカンやスノーシューだと、岩に引っ掛かりやすいので危険です。
こうした場合は、アイゼンのみの方が安全に進むことができるので履き替えが必要になります。
僕がおすすめするワカンとスノーシューはこれ!
ここでは、僕がおすすめするワカンとスノーシューをご紹介していきます。
良かったら、道具選びの参考にして下さい。
MAGIC MOUNTAIN(マジックマウンテン)ラッセルEVO TJWN033
マジックマウンテンのラッセルEVO TJWN033です。
フラットタイプのフレームでアイゼンが併用可能なタイプです。
重量は、片側500gと軽量で携帯性にも優れています。
また脱着に優れたEVOベルトが使われており、スムーズな取り付け・取り外しが可能です。
エキスパートオブジャパン スノーシューズ フラット型
エキスパートオブジャパンのスノーシューズ フラット型です。
太めのアルミパイプが使われ丈夫で浮力も高いのが特徴です。
靴のサイズに合わせてMとLサイズのラインナップがあり、Mサイズで重量775gと軽量になっています。
フラットタイプなのでアイゼンと併用可能です。
MSR(エムエスアール)EVOアッセント
エムエスアールのEVOアッセントです。
雪原ハイクからバックカントリーまで対応できる、バランスのよいモデルです。
付加機能として、ヒールリフターや爪が付いており登山に役立ちます。
操作性についても、グローブを着けたままでも脱着しやすいベルトになっています。
初めて買うとしては、機能・価格帯含めおすすめのスノーシューですよ!
TUBBS FLEX TRK 24 KHAKI
TUBBS(タブス)のFLEX TRK 24 KHAKIです。
雪原ハイクだけでなく雪山登山まで使えるオールラウンドタイプです。
特徴としては、スムーズな歩行を促進させるフレックステールテクノロジーを搭載しています。
またヒールリフター機能も付いており歩行をアシストしてくれます。
爪も付いているので、斜面での横滑りなどを防いでくれます。
TSL SYMBIOZ hyperflex instinct
TSL(ティーエスエル)のSYMBIOZ hyperflex instinct です。
一番の特徴は、フレームに柔軟性があり歩行時に足に合わせて曲がるので、歩きやすくなっています。
補助機能として、ヒールリフターや爪が付いており歩行時にサポートしてくれます。
浮力も高く、柔軟性もありあらゆる地形に対応できるスノーシューです。
初めて買う方にもおすすめできる一品です。
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